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10月最後の週末。 [ロック]

■SCHMILCO ウイルコ

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 やはり今年出たアルバムの中でもっとも思い入れが強いのがこれ。ウイルコの新譜、「SCHMILCO」。いやあ、これは本当に素晴らしいです。昨年出た「STAR WARS」と対を成すような印象のアルバムで、あちらが結構ノイジーだったのに対して、今回はアコースティックギターが基調となった楽曲がほとんどのフォークロック集。でも、初期の楽曲に多かったカントリー風味なものというよりは、地味ながらもポップなソフトロックといった印象。少しだけアシッドフォークのような難解な部分もあったりしますが、全体的にヒンヤリとした残響感に特に優れた、コンセプチャルにも思えるほどまとまりのあるアルバムです。誰かが「ジョン・レノンの新譜かと思った」的なコメントをされてましたが言い得て妙。賛成、賛同。
 多分、録音時期が同じだったのでしょう、前作からのインターバルがすごく短かったのも嬉しかった。バンドのハードな面とソフトな面を分けてリリースしてくれたのは聴く側としてもとっつきやすい。2枚組の傑作「Being There」、メランコリーな「Sky Blue Sky」、この2枚と併せて僕のウイルコ好きなアルバムベスト3に今のところ認定なのであります。もし、まだウイルコを知らないよ、という方がいらしたら上の順番で聴いてもらえると良いかなと思います。他にも素晴らしいアルバムが何枚もありますが、この3枚を聴くとウイルコのメロウサイドの良さがぐぐっときます。ぜひに。

 先日、インスタグラムでもちょこちょこ覗かせていただいているお客様が来店されて、店内でこのレコードがかかっていることをすごく喜んでくださった。ウイルコをかけて誰かに喜んでいただいたのはこの店を始めて以来初めてのこと(笑)もちろん、このレコードが素晴らしいからこういうことが起こるのかと思いますが、なんとも言えぬ癒しと寛ぎ、知的好奇心をくすぐるサウンドなんすねー。何となく場の空気も良くなります。変な言い方ですが、喜んでくださってありがとうございます、です。
 というわけで、9月の購入以来相当な頻度でかけてます。うちのスピーカーとも他のレコードに比べて比較的相性が良いと思ってますので気になる方は、ぜひ聴きに来てくださいませ。

 そんなこんなの10月も終わろうかという最後の週末。徳島は朝から雨がしとしと。降ったり止んだり。そのせいかどうなのか、2日連続ブログを更新できるほど店内は日中より陸の孤島状態でございます(笑)10月末って皆さん、仕事多かったりするんすかねー。それとも歓送迎とか意外と多いんすかねー。はてー。そ、それとも・・・。
 予想を遥かに超えた閑散ぶりに店主も副店主(妻)も完全にお手上げ状態です。それでも、晴れて大盛況な週末土日を夢見て背水の仕込みっぷり。キャロットケーキもゴルゴンゾーラもマーブルも。カレーだって冷蔵庫パンパンになるまで強気の仕込み。どうぞこの土日、皆様よろしくお願い致します。ちょっと本当にマズい・・・(笑)

 明日からは我が広島東洋カープも背水の陣。日曜日は黒田投手の良き花道となりますよう我々も祈るのみです。我が店のことも祈るのみです(苦笑)

 
 では皆様、良い週末を。





boosan
 

ディランを聴かねばならぬ。 [ロック]

■HIGHWAY `61 REVISITED ボブ・ディラン

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 僕は1973年生まれ。10代後半の頃流行っていたのはハードロック。あっちもこっちもハードロック。15〜6歳で音楽に完全に目覚めた当時の僕のヒーローはガンズ・アンド・ローゼズでありブラック・クロウズでありニルヴァーナでした。音楽性はマチマチだけど、みんなとにかくギターがやかましい。ブラック・クロウズに限っては古いブルーズやソウルなんかをベースにした渋くて大人なロックンロールだったけど、それでも今の感覚からするとギターは随分とやかましい。でも、それがとにかく一番。ギターがラウドでなくてどうする。皆んな長髪。黒ズボンはピチピチ。ニルヴァーナは服もスニーカーもボロボロだったけれど。
 その後、もう少しインディーズライクなバンド、例えばティーンエイジ・ファンクラブやマイブラ、ヨ・ラ・テンゴなんかも好きでよく聴いたけれど、共通しているのはとにかく皆ギターがやかましい。皆んなニール・ヤング・チルドレンだもの。そりゃそうさ。やかましいに決まってる。僕にとってはそれが音楽の全てでした。

 それでもこのあたりのロックを好きになると、そのルーツを辿りたくなるのは世の常とういうもの。やはり60年代、70年代のロックは当時の僕の目にも相当かっこよく映った。「そっちを知らないでこっちばっか聴いてるのってどうなんだろか」という感覚。好奇心と義務感と使命感を持ってざっと聴き漁ったのは以下のバンド/ミュージシャン。

 ローリング・ストーンズ、エアロスミス、ザ・フー、ザ・バンド、スモール・フェイセズ、ハンブル・パイ、ザ・バーズ、ビートルズ、ニール・ヤング、ドアーズ、イーグルス、ジェイムス・ギャング、デレク・アンド・ドミノス、クリーム、ジミヘン、オーティス・レディング、アレサ・フランクリン、キンクス、クイーン、ヴェルベット・アンダーグラウンド、3大キング、ジョンリー・フッカー、ライトニン・ホプキンス、ジャニス・ジョップリン、キャロル・キング、フリー、バドカン、バディ・ガイ、ライ・クーダー、ボブ・マーリー、ニック・ドレイク、グラム・パーンソンズ・・・

 今、パッと思いつくものでこんな感じ。もっともっとありますがイメージとして大体こんな感じは聴かないといかんと思って、素直に凄く良いと思うもの、多少背伸びしているもの、全然良いと思わないもの、僕的には玉石混合な感じで、ただただひたすらに聴き漁ったのであります。

 このいわゆる「昔」のロックを聴くことは比較的再発盤が安く手に入るということもあって簡単なことではあったけれど、現行盤と違ってCDのジャケットもなんだか手抜きっぽいし、とにかく音がペラペラでしょぼいことが多い。安物のコンポで聴くのだから尚更なのだけど、分厚いボリューム感で録音されたハードロックCDに慣れた耳で聴く、ペケぺケでショボショボの小さな音で焼き直された60年代ものの再発CDはどうにもこうにも物足らないのです。なので世間がどれだけ「ジミヘンのファズってすげー」とか「バーズの12弦リッケンのきらびやかなサウンドが云々」とか言われても全然ピンとこないのです。

 はい、それで今日の本題。

 この中に思いつきで列挙したとはいえ絶対に抜けてはいけないミュージシャンが二組います。一つはグレイトフル・デッド。これは完全に僕の音楽性の勘違い及び無理解からくる食わず嫌いによって僕の中で20年くらい放置されてしまった。この件の後悔については過去にも何度か触れたし、今お店でもよくかけているのである程度の懺悔は終了しているつもりなのですが、もう一人ロック好きが抜かしてはいけない偉人を僕は完全にスルーしていました。

 ボブ・ディラン。
 先日ノーベル賞にまで選ばれてしまったロックレジェンドのボブ・ディラン。

 ディランを聴いたのは相当早い段階だったかと思いますが、当時全く解らず。ちんぷんかんぷん。歌詞に重きがあるのは英語に不自由な僕でも解ることでしたが、その長々と語るように同じコード進行を延々と歌うスタイルにすぐに挫折しました。歌詞の意味が解らない、語りっぽい歌い方=曲の抑揚を感じない、そして音がしょぼい。もうこれだけあれば十分。全然良さが解らないのです。もちろん他のバンドだって英詞なのだからほとんど意味は解らないのですが、ディランの場合歌い方のせいもあって歌詞の中身が解らないと何だか前に進めない敷居の高さを感じてました。あとは、初期〜中期のディランのフォークロックサウンドは再発廉価CDではただのペケペケにしか聴こえませんでした。

 で・・・。


 40歳を過ぎ、そろそろ分厚く歪んだロックギターもしんどいよな、もうちょっとクリーンやクランチで渋めに爪弾く感じもいいよな、と嗜好に変化が出てきた今日この頃、自分でもアコギを弾くことが多いのでなんとなくディランをApple Musicで探すのですが、むむむ、ちょっと昔と印象が違うぞ。全然ショボく感じない。むしろギターも歌もものすごい殺気。鋭利鋭角。気迫。何だろか、こうも印象が違うのか。もちろん今の方がまともなスピーカーで聴いてるのは事実だけど、それだけでない根本的な何かを感じる。

 おまけにこんな映像を見たら、昔の自分は全く感じるの力がなかったのだ、と愕然とするばかり。



 これを見てどこがショボいのでしょうか(笑)こんなにも魂のこもったロックンロールが他にあるでしょうか(笑)歌も演奏も凄まじい気迫と熱気。 

 もちろん昔はYouTubeなんてなかったのでこんな映像を見る機会なんてそうそうないのだけど、それにしても、です。

 昔買った廉価版のCDは何故か今手元にはありません。売った記憶はないけれどどこを探してもない。そう、買わないとですね。この時期のディランだけは絶対に外してはならないと音楽を聴き始めて25年くらい経ってようやく気づきました(笑)

 アマゾンでモノ盤のアナログが数枚残ってた。月初ポチります!


boosan

ノラさんの新譜。 [最近のヴォーカル]

■DAY BREAKS ノラ・ジョーンズ

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 待望のノラ・ジョーンズ(以下敬意を込めてノラさん)の新譜が出ました。この人の場合、新譜が出るだけでビッグニュースですね。そのくらい世界的スターミュージシャンのノラさん。

 僕はアマゾンでアナログで購入。EU盤。洋盤の発売日当日にきちんと届きました。早速聴いてみましたが、今回は良いです。ホントに素晴らしい。発売前から「ジャズに立ち返ったノラ・ジョーンズが復活」的なコマーシャルがたくさんあったし、先行で公開された「Carry On」という曲がいかにも1st当時の雰囲気を思い出させるものだったので、なんとなくアルバム全体ジャジーでメロウなノラさんの一番人気のある部分(笑)が強調されてるのだろうなと予想していましたが、実際のところはちょっと印象が違ったものでした。
 
 同じジャジーでも音楽年齢が10〜20歳くらい上のジャジーで、時間帯も22:00頃よりは24:00頃のほうが似合うというか。要は、ちょっと大人の雰囲気なのであります。そこが今回のポイントですね。でも、実はこの「ちょっと大人」が厄介で、ノラさんのような青春の痛みやその癒しを歌うイメージのシンガーにとって「ちょっと大人になる」ということは、大胆に言うと一番の「ウリ」の部分を捨ててしまっている可能性があるとも受け取れるのです。なんだ、もうあの痛みや癒しは消えちまったのか、もう大人かよ、的な。実際各所のレヴューを見てみると、「昔のノラを期待してたのに!!がっかり」という声も少なくない。なんとなくその気持ちは分からないでもないです。確かに「Don`t know why」は唯一無二の大名曲だし、今何度聴いても沁みます。あの淡く切ない感じはいいよなー。

 でも、どうでしょう。今1stや2ndの焼き直しなアルバムを出してそんなに面白いでしょうか。ノラさんだって若かったから歌えたこと、っちゅうもんがあるかと思います。今ではノラさんも2児の母で年齢だってまあまあいい大人です。音楽を続けていく上で歳相応な演奏や歌唱ってものがあると思うのです。個人的にはいつまでも同じことをやり続けることのほうがつまらなく感じます。(ニール・ヤングみたいな人の場合は別の話ですが。でもそのニール・ヤングとノラさん、めっちゃ仲良しですね、最近、笑)

 で、肝心のアルバムの内容ですが、ジャジー、ジャジー、と散々言われてますが、もちろんジャズもありますが、ロックも半分くらいあります。というか、そもそもノラさんって初めっからそんなにジャズだったことはないと思うのだけど。この人は根本はカントリーシンガーです(と思ってます)。他にありそうでない声質や器用な楽曲アプローチのせいで色んな側面があるのかと思いますが、やっぱりノラ・サウンドでしかない。オリジナルだろうがカバーだろうが全部ノラ節になる。そこが良いのである。今回はとにかくB面(7曲目以降)が良いです。ウエイン・ショーターのソロやスイングジャズ風なホーンセクションのサポートを受けながら進み、すでに名曲となった「Carry On」に流れ、猛烈に暗く耽美な「Fleurette Africaine」で終わる。凛とした良い流れ、良い曲々。A面ラストのニール・ヤングのカバーも良いけど。

 3日前に届いて多分30回はこのアルバムを聴きました。最初は「ちと暗いな」という印象がだいぶ変わってきます。今もブログをパタパタしながら聴いてます。地味な印象のレコードですが聴き込みに耐えうる実の詰まった本物の音楽です。

 
 今日はかなり涼しいですね。ようやく秋めいてきました。秋めいたついでに定休日のエネルギー補給にと近くのケーキ屋でモンブランを買いました。大好物のモンブラン。これ食ってまたノラさんのこのレコード聴こうかな。ささやかですがこのくらいのことで自分の人生もまあまあ悪くない、と思えてしまう幸せなヤツです(笑)


boosan



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